少年たちとの夏

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日射しが照りつけ陽炎を生む。

今年もまたこの季節。
3年間の集大成、中体連。

野球部顧問にとっては毎年のことだ。

体は大きくても心はまだ15歳。未熟だ。15歳の少年にプレーなんて求めていない。萎縮せず笑顔で楽しんでほしい。ただそれだけ。だから俺の仕事も1つだけ。

円陣を組む選手達の表情が固い。
「これまでの練習は辛かったか?」
全員が首を縦に振る。
「それも全部この日のためだ。今日笑うために練習で泣いてきたんだ。ミスしたらなんて考えなくていい。ミスも含めてお前たちだ。常に笑顔でいろ!こんなプレーしたらおれはヒーローだ!って前だけ向くんだ」

選手達の表情が和らぐ。
「俺も一緒に野球がしたいけど、俺はグラウンドに立てない。だから楽しんでる姿を見せてくれ。お前達は強い。いつかこの日が最高に楽しかったって言えるような1日にしよう」

一歩一歩踏みしめながら走る少年たちの背中をただ見守る。
青春
公開:19/09/24 21:50

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