無言電話

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理沙は、一年前から誰かからかかってくる無言電話に悩まされていた。

真夜中のリビングに電話の音が鳴り響く。

ガチャ。

「もしもし・・・」
理沙は受話器を取り、電話越しに呼びかけた。

しかし、相手から一切の返事はなく、十分間、受話器に耳を当てていても、向こうから音はきこえてこなかった。

何ヶ月前から、警察に無言電話の件を相談しても、ただのいたずらでしょと真剣に取り合ってもらえなかった。

日に日に、真夜中の電話の音が大きくなっていく・・・

理沙は、留守電話サービスを使った。

「留守番メッセージをどうぞ」

ピーッという発信音が部屋中に響き渡る。

すると、部屋いっぱいに赤子の泣き声が響き渡った。

「アナタノコドモハアズカッタカラ。アナタノコドモハアズカッタカラ」

女性らしき声で言う。

理沙ははっと驚いた。
その赤子は、理沙が一年前に流産した赤ん坊だった。
ホラー
公開:19/09/24 21:08

神代博志( グスク )









 

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