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私は、冬の冷たさで白くなったあなたの頬にそっと触れた。
彼女は、ゆっくりと私の手を解くと、自身の顔に当て直した・・・

「もしも、私が冬になっても、いつまでも覚えていてくれる?」
彼女は、切なく、私にといた。

私は、言葉をなくして、ただ、ただ、頷いた。

「私はまだ生きていたい。だけど、神様がそれをゆるしてくれないから」
彼女は涙を流した。

「どうすればいいの・・・時間はただ残酷にながれていって、私何かしたのかな」
彼女は、膝からくずれ、白い雪に膝をつけた。

私は、彼女と同じ目線でしゃがみこみ、彼女の手を握った。

「まだ、いくらでも時間はあるからさ。もっと、二人で明るい未来を見にいこうよ。例え、暗闇だって、断崖絶壁だって、二人なら乗り越えられるから」

二人の間に降り続ける白い雪は、いつまでも変わることなく、四季を真っ白に染め上げた。
その他
公開:19/09/21 22:06

神代博志( グスク )









 

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