色彩の魔術師と失われた色_(拾)

2
6

森の外れにある立入禁止区域に三人で踏み入る。
一見ただの森だが、五感を狂わせる魔術がかけられており資格のない人間が入ると二度と出られない。
魔素や温度を見る目がある人間なら隠された目印や案内を見ることができるようになっている。

「それにしても厳重な罠ですね」と師匠に語りかける。
「儂の身辺も物騒になってきたからな。これくらいは当然だ」
「カリスどのの武勇を知って挑む馬鹿もそうそういないと思いますがね」ロイが軽口をたたく。
「悪魔から悪魔と恐れられるロイどのには負けますがな」
師匠も負けじと軽口で返す。こうしてみると本当に仲が良い。

「さて、ついた」師匠の言葉に足を止めると、そこはストーンサークルが立ち並び、妖精たちが飛び交う幻想郷だった。
「すごい……」
三人で切り株の椅子に腰掛けお茶菓子を広げる。
のんびりした空気を師匠が破った。
「ダリル、君の持つ禁書を出してくれ」
ファンタジー
公開:19/09/22 20:29

ばめどー

ぼちぼちやっていこうと思います。
コメントを頂けると励みになります。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容