寝覚めの朝

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「アレウス、七時に起こして」
『はい、七時に起こします』
AIの返事に安心して僕は横になった。音声に反応して設定したり音楽をかけてくれるこの機械。わざわざタップしなくていいからすごくいい。手が離せない時も大助かりだ。
僕は微睡み、やがて眠りに落ちた。

アレウスのアラームがなっていた。時計を見ると6時半。いつもなら起きるけど、今日はちと眠い。
「あと少し……」
僕は寝返りを打ち、目を閉じた。ウトウトしながら布団にくるまる。この少しの惰眠が幸せなんだ。
その時、寝室の引き戸がガラァッ!と開けられた。びっくりして見ると、ゴリゴリのマッチョの大男が僕を見下ろして睨んでいた。
「Oh,OK.Wake up. My Baby,,,」
ニカッと笑うと、引き戸をガラァっと締めていなくなった。恐る恐る家中を見に行ったけど、独身暮らしのこの一室には誰もいない。
あれ以来、僕はアレウスにさんをつけている。
その他
公開:19/09/22 08:07

風月堂( 札幌 )

400文字の面白さに惹かれて始めました!
文字や詩のようなものを書くのが趣味です。
情緒不安定気味でアゲサゲ落差のひどい人間ですw
いろんな方々の作品を読んで、心を豊かにしていきたいです。

無料の電子書籍をつくりました。
『ショートショート作品集カプセルホテル【】SPACE』
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『枇杷の独り言』
ショートショートコンテスト『家族』最優秀賞頂きました。

写真は全て自前でやっています(笑)

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