エスケープ

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数合わせで連れてこられた合コン。私は孤立していた。
そりゃそうだ。何せ私は他3人の引き立て役。対比物だ。
私は強くもないのに酒を飲み続けた。うう…さすがに飲みすぎで体が冷えたか?少し寒い。
「あの…良かったらこれどうぞ」
私にケープを差し出してくる地味な男。ああ、こいつも引き立て役か。
私はケープを受け取ると羽織った。意外と温かい。
「合コン…つまらないなら抜け出しません?」
おや?意外と積極的だな。しかし残念。ここには目ざといのがいる。そいつにバレずに抜け出すのは無理だろう。
「そうでもないですよ。そのケープはエスケープ。頭から被ってこっそり抜け出せば、気付かれません」
面白い。じゃあ、抜け出そうか。私は彼とケープを二人で被り、合コンを抜け出した。
しっかしこのケープ小さいわね…もう少し大きいのない?
「そのケープ、Sサイズしかないんです」
じゃあ、仕方ない。それにこの距離感も悪くない。
公開:19/09/17 18:51

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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