セーナの仔犬(2)

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(承前)
昼下がりになって、すっかりお腹が空き、お弁当の時間にした。
道端に、自転車のスタンドを掛けて停めた。
おにぎりやサンドイッチ、唐揚げなどなど、ふたりで思い思いに作ったものをあぜ道に広げて食べる。セーナは食欲が旺盛だ。

どこまでも抜ける高くて青い空には、トンビが一羽、まるく輪を描いて飛んでいた。

そのときだ。背後から、クゥンクゥンという鳴き声といっしょに、何かふんわりとしたものが動いているのを感じた。
仔犬だった。まだ生まれて間もない、まるまるとした薄茶色の仔が二匹。ひと気のないこの場所で、捨てられたのだろうか。

「わぁー」と、セーナは歓声をあげる。仔犬たちの愛嬌に、一気に負けたようだ。
「ねえ、ねえ。これ、飼ってもいい?」真っすぐな視線で僕に懇願するように言った。
でも、動物の飼育は、セーナの喘息にあまり良くないだろう、という気がする。
(つづく)
その他
公開:19/09/20 09:19
更新:19/09/20 14:29
仔犬 夢日記

白ねこのため息( あちらこちらにいます )

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