奥山に紅葉踏みわけ鳴く鹿の 声きく時ぞ秋は悲しき

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暮れゆく秋の季節・・・

人里離れた奥山は、散り敷かれた紅葉で辺り一面がいっぱいになっていた。

すると、どこからか、雄鹿が雌鹿に求愛する鳴き声が聞こえた。

藤原は、その鹿の鳴き声をきき、町で暮らす妻を恋い慕う感情をつい重ねてしまった。

もしも、妻が近くにいたのなら、秋に悲しむことは決してなかった。

藤原は、早く秋の季節を終え、白い雪が積もる冬が来るのを願うばかりであった。
その他
公開:19/09/20 02:11

神代博志( グスク )









 

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