白黒人間

ミスターホワイトはそ名の通り真っ白い肌をしており、ミスブラックは反対に真っ黒い肌をしていた。肌の色だけではなく二人は性格も嗜好も考え方も、凡そありとあらゆる面において正反対であった。
最初はお互い何一つとして分かり合えなかった二人であったが、偶然互いがお互いの欠陥を補い合うことを発見すると、それ以来意気投合し程なくして結婚した。
やがて二人には子供が生まれた。
子供は双子で、一人は黒っぽい色の男の子。そしてもう一人は白っぽい女の子であった。
やがて二人は成長し、それぞれ白っぽい女性と黒っぽい男性と結ばれた。

これはあるいはとても調和のとれた世界かもしれない。しかしこのままでは、世界は多少の濃淡こそあれ、殆どただの鼠色の平面になってしまう。そしてそれは死を連想させる。

そう考えた神は、世界に色を塗ることにした。