宇宙からやってきたけれど

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「一発デカイことやってやる!」って酔った勢いで仲間たちにタンカきり、そのまま宇宙船に乗ったけど、後の記憶がない。目覚めると宇宙船のスクリーンには青色の星が映し出され、検索結果は「地球」。
「まあ、この星を手に入れて早く帰ろう」

あれから何年経ったのだろう。この星に降り立ち、まずは地球人を知ろうと60種類以上の仕事をした。
昨日、仕事明けに性別学的に言うメスから「好きです、あなたが」と言われた。何故か顔が赤くなる自分に気づき「う〜ん」と曖昧な返事をした。
そういえばこの十数年、異星人としてのプライドだけで一人頑張ってきた、と思ったら目に涙が滲んだ。
『淋しかったのか、実は』
自分の本音がわかったら涙が溢れた。

一人の愛すべき地球人に出会えたが、異星人である事は伝えてない。辛いトコだが、でも凄く幸せだ。地球人と愛を育む事が出来ていることも立派な「一発デカイこと」だと思う。
その他
公開:19/09/18 22:33

まりたま

いつか絵本を1冊出せたら...
そう思いながら書いてます。
少しだけホッコリしていただければ嬉しいです。
でも、たまにブラックも書きますけど。

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