花の子ちゃん…その後(1)

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アネモネの蕾の中で眠っていた赤ん坊は、5年で大人になった。
花の子ちゃん、と僕は呼んでいる。僕以外、誰にも見えない。
頭から生えた緑の若葉はきっと花の子の印。赤く美しい花も咲かせるようになった。

それからさらに数ヶ月。花や葉っぱが徐々に下を向き、今はしおれてきている。
「花の子ちゃん、頭のお花が元気ないみたいだよ。大丈夫かなあ…」
僕は、あまりにも心配になり、ある日、ふたりで部屋の中にいたときに、意を決して尋ねた。
すると、夕陽の当たった横顔を見せていた花の子ちゃんは、ビクッとしたように反応し、僕の方を向いた。
「平気だよ。へ、い、き、」
いつもの、くりんとした笑顔だ。(つづく)
ファンタジー
公開:19/09/14 23:30
更新:19/09/15 00:06
花の子ちゃん

白ねこのため息( あちらこちらにいます )

2019年9月14日から参加いたしました。
しみじみとした後味や不思議な余韻が残る作品を目指しています。
どうぞ宜しく…。
ちなみに、写真は一部を除き、全て自分で撮影したものです。併せてお楽しみ下さい。

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現在、資格取得(英検1級など)の勉強中のため、投稿ペースが落ちていますが、
これからも引き続きご愛顧のほど、何とぞ宜しくお願いいたします。ペコリ。
 

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