パパァァァー！

「ゴマかすんじゃないわよ！お天道さまは、きちんと見てるんだからね‼︎」

突然のヒステリックな声に、うたた寝から目が覚めた。まずい、完全に見過ごした。

「ぼくは、なんにもやってないよお」

お天道さまは自身の居眠りミスを帳消しにすべく、状況から事態を把握しようと必死になった。庭先にはお母さんと子供、そしてうつ伏せに倒れている男は…お父さんだろうか。

「嘘おっしゃい。じゃあこの薬の空き瓶は何？」

おぉボウズ、まさかお前？でも責めるお母さんだって、薬を子供が届く場所に置いちゃあいけない。

「それ持ってきたのはパパだよ」
「ほんとに？わざわざママの棚から？」

お母さんの口調は完全に子供を疑ってる。この子、いたずらで薬を飲ませた前科ありか？

「パパわらってた。睡眠薬まぜると高く飛ぶんだぜ、って。シャボン玉」

ほんとかよ、お父さん！そういやさっき、目の前で大きなシャボン玉はじけたっけ。