アリのパートタイマー

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23世紀の未来。地球の都市部では野生の動物や昆虫類が死滅し、子ども達が身近で触れ合える生物や自然環境が無くなった。
これでは子どもの情操教育もままならぬ、と案じた科学者達は、生物の生態を完全にコピーし、疑似昆虫やロボット動物を都市の各所で再現することにした。

これは市民が科学省に申請すれば、自宅の庭でも飼うことができる。小学生の息子を持つタナカさんは、庭にアリの巣を作ってもらった。もちろん、疑似昆虫だが。

すると息子ははじめ興味深そうに昆虫観察にふけった。両親は微笑ましくそれを見守る。しかし!実はその息子は、天才だったのだ。

ある日、タナカさんが庭を見ると、アリの巣の外にアリが多数、列をなして寝ている。一方、穴に出入りして働くアリ達もいる。
いぶかしむ彼の横に息子が来て言った。
「あまり働きづめだと労働効率が悪いから、アリを改造して、半分ずつ働くパートタイム制を導入してあげたんだよ」
SF
公開:19/09/16 13:28

tamaonion( 千葉 )

雑貨関連の仕事をしています。こだわりの生活雑貨、インテリア小物やおもしろステーショナリー、和めるガラクタなどが好きです。

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