色彩の魔術師と失われた色_(捌)

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バートン氏の演説は長々と続いた。
「ルシファーの爪は、どうやら魔界とこの世界をつなぎ、この地上を悪魔の楽園にしようとしているらしい」
「何だと!」「まさか」
ここにいる選りすぐりの魔術師たちも動揺を隠せないようだ。
「現にこの世のものでない軍勢が集結し、辺境の国々を襲っているらしい」
「これに対抗するため魔術国際連盟軍を新たに組織し、ルシファーの爪と悪魔どもを完膚なきまでせん滅する! そのために皆さま方のご協力をお願いしたい」
お願いと言っているが実質命令なのだろう。皆動揺や困惑を隠せないようだが表立って反対する人はいない。

「で、指揮は貴方がとられるのですか?」とカリス師匠。
「勿論だ。魔術国際連盟長たる私こそが指揮官にふさわしい」
その時、黒ローブの男が口をはさんだ。
「バートン殿は軍隊経験がない! 私は反対です。悪魔たちに常識は通用しません。せめて実践経験のある方に」
「黙れ!」
ファンタジー
公開:19/09/15 21:45

ばめどー

ぼちぼちやっていこうと思います。
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