人間ドックのボーナス
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人間ドックの受診率が悪いのに業を煮やした会社が、人間ドックをボーナスとして支給することにした。これを受け取らないと現金も受け取れない。
高田さんは社内で唯一人間ドックを拒否した人だ。
「高田さん、どうしてボーナスを拒否?」
「私、ガンなんです」
「は?」
「受診はしていませんが、間違いなくガンです」
「はぁ」
「今年入ったガン保険が、加入から2年後に診断されたガンしか給付されないんです」
「あ、それで、今、人間ドックでガンと診断されると困る、と」
高田さんは翌年もボーナスを拒否。3年目。晴れやかな顔で受診しにいった。
「高田さん、どうでした?」
「……ガン、でした」
「おお、予想通りじゃないですか」
「くっ…。この流れは普通、『ガンじゃなかった、てへへ』でしょ!」
幸い高田さんは初期だったため、内視鏡手術で済んだ。そして翌日から、人間ドックボーナスを拒否する人を説得する担当となった。
高田さんは社内で唯一人間ドックを拒否した人だ。
「高田さん、どうしてボーナスを拒否?」
「私、ガンなんです」
「は?」
「受診はしていませんが、間違いなくガンです」
「はぁ」
「今年入ったガン保険が、加入から2年後に診断されたガンしか給付されないんです」
「あ、それで、今、人間ドックでガンと診断されると困る、と」
高田さんは翌年もボーナスを拒否。3年目。晴れやかな顔で受診しにいった。
「高田さん、どうでした?」
「……ガン、でした」
「おお、予想通りじゃないですか」
「くっ…。この流れは普通、『ガンじゃなかった、てへへ』でしょ!」
幸い高田さんは初期だったため、内視鏡手術で済んだ。そして翌日から、人間ドックボーナスを拒否する人を説得する担当となった。
その他
公開:19/09/12 20:21
人間ドックのボーナス
スクー
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