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「居酒屋に赤の女が来ているって!?すぐ行く!」
彼が血相を変え、出かける支度をする。
ねぇ!今日は私と一緒にいてくれるんじゃないの!
「すまん!赤の女に会えるなんて滅多にないんだ!この埋め合わせは必ずするから!」
彼は家を飛び出した。私は後を追った。私という彼女がいながら、他の女のところに行くなんて許せない!
彼は近所の居酒屋に入った。小さい店は超満員。その中心にいるのは赤に身を包んだ女だ。
私は女の不気味さにたじろぐ。しかしここで引いてはいけない!
私は女に詰め寄った!あんた一体何様なの!?
「私ですか?見ての通り、流しの者です」
そう言って女はギターを弾く。
女の演奏は優しく、私もすぐに惹き込まれた。成程、これは彼が会いに行きたくなるわけだ。
しかし何故、格好が赤づくめ?聞いてみた。
「流しはシンク。シンクは赤でしょう」
成程…赤の女は流しとしては一流だが、笑いのセンスは三流のようだ。
公開:19/09/12 19:01
更新:19/09/13 18:34

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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