青い春に見た哀しい夢

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僕の趣味は物語を読む事だ。知らない世界をそこで知る。生きていたら絶対に味わえない世界だ。僕はこの世界に生きている。誰に恋しても、何を夢見ても叶うことはない。
厳しい現実が僕を襲う。だから僕は誰かの書いた物語の世界に逃げ込むんだ。主人公なら全て叶えてしまうんだろう。其処に自分を重ね合わせ、妄想に耽った。

ある日手にとった小説。タイトルは「青い春に見た夢」主人公は高校生の男の子。ヒロインは幼馴染の女の子。自分で見れなかった青春の恋物語か。また自分を投影して妄想に耽る事にした。
読み進めるにつれ、僕は違和感を覚える主人公はたしかにヒロインに想いを寄せるのに、思わせぶりではなくそれはあからさまで、ヒロインはそれに気づいてる上で、主人公を毛嫌いしている。
叶う気配すら無く、主人公は卒業と共にヒロインと離れ離れに。
なんだ。この小説離れした現実の厳しさしかない物語は。これじゃ僕の人生そのままだ。
青春
公開:19/09/12 14:23

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