コドオジ

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気が付いたら僕は見知らぬ場所を見知らぬ少女と一緒に走っていた。
「そんなんじゃ置いてくよ。」
少女は馴れ馴れしく話しかけて来た。

「置いていかないで」
僕の頭の中で誰かが叫ぶ。意志とは関係なく僕は必死で走った。
少女は流すように走っているのに、距離はみるみる遠ざかり、やがて見えなくなってしまった。それでも僕は走り続けた。息が絶え絶えになりながらも必死で走り続けた。やがて立ち止まっていた彼女に追いついた。少女はいつのまにか大人になっていた。
「君とは一緒に行けない」
そう言われたところで僕は目を覚ました。夢を見ていたようだ。
彼女は誰だろう?思い出せないまま取り残された感覚だけが残った。
僕は一人ぼっち、いつまでも心は子供のまま。どんなに必死に生きても前へは進めない。ずっと取り残されたまま、今日も生きる。
青春
公開:19/09/13 12:34

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