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「田之助ぇどうだ?進んでるかい?」
 親爺に声を掛けられた田之助は前屈み中腰のまま不満そうな顔を向けた。
「まったく、進むも進まんもあるんもんかい。植えた先から駄目にならぁ」
「ここの土壌も悪くなかったんけどなぁ。しゃあねか、そいじゃもうここの植え込みは止めにして余所で頑張るとしようか」
 田之助の言葉に親爺はあっさり諦めて、余所に移ることにしたようだ。

 植える人の失くなった田んぼは何も残らず、手入れもされず、乾いた土が表面に表れ哀愁を漂わせる。



「最近めっきり頭が寂しくなっちまった」
「髪様が居なくなっちまんだんだね」

 酒屋の隅で二人の男が嘆いていた。
その他
公開:19/09/13 10:08

トウヒ・ゲンカイ

昔から本が好きで、いつか自分も書きたいと思い描きながらも中々完成せずの日々。
とにかく完成させることを第一の目標にして、まずはショートショートに挑戦してみることにしました。
ご指導ご鞭撻の程、宜しくお願い致します。

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