カッチン
8
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「はい、形見分け。」
ナナコに手渡されたのは古い目覚し時計。
「えー、スマホで足りてるよ。」
「それじゃ起きないでしょ。もうおじいちゃんは起こしてくれないのよ。」
古い目覚し時計はめっちゃゴツい音がする。初めこそ否応なしに起こされていたがやがて慣れてしまった。
ジリジリジリリリリー!
今朝も容赦ない音が鳴り響く。
止めようと思って手を伸ばしたが届かない。
「うーん!うるさい!」
仕方なく身体を捻って時計を睨みつけたナナコはびっくりして飛び起きた。
「わわっ!もうこんな時間!」
そうだ、今日は憧れの先輩と初デートなのだ。
「もう!おじいちゃん、ちゃんと起こしてよ!」
スマホを何度も止めたことなど棚に上げて時計の頭をポンと叩き、急いでいるわりには念入りに選んだ服を抱えてナナコは慌てて部屋を出ていく。
「やれやれ、世話の焼ける子じゃわい。」
時計は少しだけ進めた針を元に戻した。
カッチン
ナナコに手渡されたのは古い目覚し時計。
「えー、スマホで足りてるよ。」
「それじゃ起きないでしょ。もうおじいちゃんは起こしてくれないのよ。」
古い目覚し時計はめっちゃゴツい音がする。初めこそ否応なしに起こされていたがやがて慣れてしまった。
ジリジリジリリリリー!
今朝も容赦ない音が鳴り響く。
止めようと思って手を伸ばしたが届かない。
「うーん!うるさい!」
仕方なく身体を捻って時計を睨みつけたナナコはびっくりして飛び起きた。
「わわっ!もうこんな時間!」
そうだ、今日は憧れの先輩と初デートなのだ。
「もう!おじいちゃん、ちゃんと起こしてよ!」
スマホを何度も止めたことなど棚に上げて時計の頭をポンと叩き、急いでいるわりには念入りに選んだ服を抱えてナナコは慌てて部屋を出ていく。
「やれやれ、世話の焼ける子じゃわい。」
時計は少しだけ進めた針を元に戻した。
カッチン
その他
公開:19/09/10 16:35
のんびりゆるぅり書いてみたいと思います。
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