遊星より疑惑を込めて

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 一般市民たちがこのような施設でなにをしているというのだろう。遥か遠き星からスパイとして送り込まれた私は考え込む。
 例えばベルトでしっかりと身体を固定され、凄まじいスピードで駆け上り一回転し、下り、連続三回転でようやく停止したあの乗り物だ。これは、対G訓練の一環と考えるのが妥当だろう。
 また、腰に命綱をつけて、高所から勢い良く自由落下するという体験もする。落下中は擬似無重力状態となり、落ちたあとしばし身体の自由が利かなくなる。これも低G環境下における活動の為の訓練のはずだ。
 また、巨大な輪にいくつものゴンドラを取り付けぐるぐると回る乗り物にも乗った。様々な視点から下界を観察することが出来る。そう、偵察訓練のための施設と思われる。
 恐るべし地球人。わざわざ金を払い、女子どもが喜び勇んでこのような軍事訓練施設で鍛えているとは。
 この星の住民の好戦的気質に私は戦慄するより他は無かった。
SF
公開:19/09/09 21:02

海月漂( にほん )

思いつきを文章にするのが好きです。
怪奇からユーモアまで節操無く書いていきたいです。
少しでも楽しんでいただけますように。

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