氷の魔女

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 ミーンミンミンミンミンミンミン……

 暑い。死ぬ。

 ミーンミンミン……

 まじ暑い。

 ミンミンミンミン……

 まじ死ぬ。

 限界だ。今年の夏は暑いなんてレベルじゃない。現に熱中症で何人も死者が出ている。俺は氷の魔女に助けを求めるため、遥か北の町までやってきた。

「あなたが氷の魔女。どうかこの暑さをなんとかしてください」
「ありのままの自分になるのよ。少しも寒くないわ」
「暑いんです」
「暑いのね」
「暑いんです」
「ならこれね」

 魔女は美しく澄んだ氷の塊を俺に渡した。冷たい。そして涼しい。氷の中を覗き込むと、朝日に煌く水平線をそのまま宝石にしたような、黄金色の魚が一尾、閉じ込められていた。

「これは?」
「氷のマアジょ」
ファンタジー
公開:19/09/11 21:45
スクー 真鯵のクーラー

10101298

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