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私は、静けさの中に沈んでいく。
そこは、暗くて、湿っていて、幻想の蔓が入り組んでいる・・・

息が出来ないほどに苦しい。
無我夢中で追いかけていた星を見失ったように、大海に投げ捨てられた砂時計のように、何もかもを失っていく。

涙は枯渇し、明日への活力は悲哀に吸い込まれ、潤んだ瞳は嘘のように平常心に戻っていく。

私は、闇の中に真っ逆さまに墜落している間に、聖堂の天井を見上るような感覚にとらわれていた。

私に羽が生えていたら、もう一度、羽ばたいてでも外に出たいと願うだろう。
私に力があったなら、闇を光に変えて、希望を見いだしていたであろう・・・

しかし、私には、何の抗力もない・・・
これを運命と呼ぶのなら、これは途方もない階下に到達したのと同じである。
さあ、登ってきなさい。
失わず、苦しまずに、そして、天井へと、夢を見ていたあの大空へと・・・
その他
公開:19/09/11 20:56

神代博志( グスク )









 

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