色彩の魔術師と失われた色_(伍)

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彼が持っていた茶色に変色したボロボロの本。明らかに不自然だったので絵具で新品同様に塗り直す。偽りの姿を暴かれた書物は
禁忌とされる呪文がぎっしりと書かれていた。
持っているだけで処刑を免れない禁書中の禁書だ。

「これは、早急に報告が必要だな」
単なる力に溺れた魔術師崩れかと思いきや、意外と大物だったらしい。
他にめぼしいものはなかったが、これだけでも大収穫だ。
師匠に会い、話を聞けばもっと詳しい事もわかるかもしれない。

ようやく帝都の外れにつき、黒龍を解放した後徒歩で少し離れた森を目指す。
森にある一番大きな木に目と口を黒筆で書き足すと、木の精であるドリアードが
正体を現し語り掛ける。
「サイダイノマジュツトハナニカ?」
「この世界そのもの」
「マジュツトハ?」
「この世界の法則であり秩序」
「マジュツシトハ?」
「世界の謎を解き明かし、世に貢献するもの」
「ハイルガヨイ!」
ファンタジー
公開:19/09/07 22:02

ばめどー

ぼちぼちやっていこうと思います。
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