腐人戦記　序

「それでは、何故我々は腐らないんだい」
「？」
「やつらは腐りながら歩き回ってる、僕たちが腐って無いのは何故だい」
「当たり前だ、やつらはゾンビで、我々は生きている！」
「惜しいね、やつらが死んでいて、我々が生きている、そこまでは合っているよ」
「？」
「我々が腐らないのは生まれ変わり続けているからだよ、正確には腐りはじめた細胞を捨てて、新しい細胞と入れ替え続けているから腐っていない様に見えるのさ。当然死に近づけば、入れ替わる力も衰える。君も、老人から腐臭が漂うのを嗅いだことがあるだろう」
「何を言ってるんだ…」
「やつらと我々の違いを生死で考えては行けないんだ。再生する力、命の力を失っているかいないかで考えなければならない。やつらは形状を保てなくなり、動けなくなるまでは、這い回り、襲い来る、腐り続ける再生すること無き 腐人 だ」
これが、後に戦いを主導してくれた謎の男との出会いだった。