夢「悔い」

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また同じ夢を見た...と言うより、
アイツが夢に出てきたという方が正しいか。「好き」と言ったアイツのあの時の言葉はきっと嘘だ。嘘じゃなくても一時の淋しさを紛らわすのに、俺の優しさに縋ったんだろう。ただ、その時寄り添ってじっと話を聞いてたのがたまたま俺だったからだ。それを優しさと呼んでいいのかすら今となってはわからない。
夜眠った時以外にもアイツは頭の中に現れて俺を苦しめる。アイツはとっくに俺の事なんて忘れてるであろうくせに。
あの時からすぐ後、縋ったのは俺の方だった。落ち着いたアイツはもう俺なんか視界にすら入っていなかったのだろう。アイツは向かう先が破滅と知りながら進もうとしていた。
あの時想いを素直に言えたら、結果は違った物になったかもしれない。たとえ結果は同じでも、それはそれで良い
言えなかった言葉と伝えたい言葉を聞かぬままアイツは俺に背を向け離れていく。そんな夢を今日も見るだろう。
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公開:19/09/09 12:25

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