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都内では、連続殺人事件が連日続いていた。

警察は、総力をあげて、捜査を続けているが、未だに、犯人逮捕にはいたっていない。

「どうしてだ。東京二三区をしらみつぶしであたったのに、犯人が一向にあがってくる気配がない」

宍戸は、長椅子の上に座りこみ、ため息をつき、顔を両手で覆った。

長山は、宍戸の顔に缶コーヒーをあてた。

「どうしたんですか?いつも以上に、眉間に皺をよせて、考え込んで」

長山は、宍戸の横に腰をおろし、缶コーヒーのプルタブを指で開けた。

「犯人は、どこに隠れている?」

「犯人は隠れてなんていませんよ。恐らく、連続殺人は、誰かに食い止められるまで、永遠に続きます」

「それを誰が望む」

「誰も望んでいません。だけど、恐怖が恐怖を連れ込めば、自然と、狂気にかわっていきます」
ミステリー・推理
公開:19/09/08 20:04

神代博志( グスク )









 

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