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言霊(ことだま)が兵器として実用化されてから何十年も経つ。
当初は高温で気化させるとガスのように拡散させることができる点に着目されたが、方向性が定まらないため用法が限定的であった。
一方、冷凍すると時限式の爆弾のように運用ができることで、遅効性の兵器としての運用が高まった。戦場のあちこちに“mindfield”(ことだまげん)が出現し、一般人の通行は厳しく制限された。
やがて技術が進歩し、圧縮した言霊を弾頭に埋め込んだ多弾頭ミサイルが開発され、高圧ガスをまくよりも効果的な攻撃が可能になった。

しかし、ここには大きな欠点があった。

「ことばが理解できない相手には通用しない」

という問題が。そこで即座に解決法が検討され、多言語多弾頭ミサイルが開発された。

そして勝利が目前にせまったころ、さらに重大な問題が判明した。

「人を呪わば穴ふたつ理論」

すべては発信者に返ってくるのである。
ファンタジー
公開:19/09/08 17:03

武蔵の国のオオカミ( ここ、ツイッタランド、タイッツー )

武蔵の国の辺境に棲息する“ひとでなし”のオオカミです。

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