色彩の魔術師と失われた色_(肆)

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黒龍に乗って移動中、全身黒づくめの男が絨毯に乗ってこちらに向かってきた。
「見つけたぞ、貴様を倒して俺こそが真の色遣いになってやる!」
そういって男はまるで最初からいなかったかのように姿を消した。

「ほう」
「どうだ、手も足も出まい!」
ふと気づくと巨大なかまいたちがこちらに向かってくる。
とっさに青インクを含ませた筆を一閃して氷の壁を作る。

「防戦一方か? 大したことないな」
「じゃあさっさとけりをつけようか」
「どうやってだ?」あざ笑う事がこだまする。

黒インクを含ませた筆で線を一本敵のいる地点めがけて引く。
「筆殺、天地斬り!」
文字通りこの線は全てを引き裂く。
驚いた表情の男がまっぶたつになって落ちていくのが見える。
残念だったな。姿を消しても僕の目は呪文発動時の魔素や物の温度だって見えるのだよ。
男の身元を確かめるべく死体を漁ると思わぬものを持っていた。
ファンタジー
公開:19/09/04 22:09
更新:19/09/04 22:11

ばめどー

ぼちぼちやっていこうと思います。
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