アトミック

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ここは、天体の街「アトミック」である。

小都市の空の上はいつまでも朝が明けない夜であり、夜空には無数の星が瞬き、小さな街をいつまでも照らし続けている。

都市の中央には、大きな時計台があり、決まった時間になると、小人が巨大な鐘を鳴らし、その時間を民達に知らせる。

民達の身体は透明で、心臓の部分だけ脈がうつのが分かるような構造になっている。

小都市の地下には、シェルターがあり、万が一、夜と朝が衝突した場合の民の避難場所が用意されている。

そこには、民達の身体である皮膚や目鼻、口といった部位まで保管されており、万が一、民達が人間になるのを望んだ場合の部品が用意されている。

天達の街「アトミック」は今日も夜を続け、眠らない。
いつか、人類が空と地をつなぐ架け橋を建てるその日まで、夜のカーテンの模様を変更するのは難しいであろう。
その他
公開:19/09/03 22:21

神代博志( グスク )









 

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