さよならゲーム
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球場でのビール売りのバイトも2年目。今日は小雨混じり。売れ行きは芳しくない。よし、ここは営業活動…。
「ビールいかがですか?」
内野席にひとり座っていたおじさんに声をかける。おじさんは一瞬たじろいだが、無表情に戻りこう言った。
「お嬢さん、堂島武を知ってるかい?」
「いやー…」
「じゃあ宿題だ。次のホームゲーム、またここにいる」
は?何?そう思いつつも、私は家に帰って堂島武を検索したーー。
1週間後。おじさんに声をかける。
「調べましたよ、堂島武。40年前に鳴り物入りで入団した投手。でも、肘を痛めて3年で引退。…あの…もしかして?」
「…そうだ」
「じゃ、正解のご褒美にビール買って下さい!」
「いや、私は…」
「冗談!知ってます…。本当は、おごってあげたいくらいです」
「…ありがとう」
検索結果トップは、1ヶ月前のニュースだった。
『堂島武氏、交通事故で死去』
「ビールいかがですか?」
内野席にひとり座っていたおじさんに声をかける。おじさんは一瞬たじろいだが、無表情に戻りこう言った。
「お嬢さん、堂島武を知ってるかい?」
「いやー…」
「じゃあ宿題だ。次のホームゲーム、またここにいる」
は?何?そう思いつつも、私は家に帰って堂島武を検索したーー。
1週間後。おじさんに声をかける。
「調べましたよ、堂島武。40年前に鳴り物入りで入団した投手。でも、肘を痛めて3年で引退。…あの…もしかして?」
「…そうだ」
「じゃ、正解のご褒美にビール買って下さい!」
「いや、私は…」
「冗談!知ってます…。本当は、おごってあげたいくらいです」
「…ありがとう」
検索結果トップは、1ヶ月前のニュースだった。
『堂島武氏、交通事故で死去』
ファンタジー
公開:19/09/06 16:20
更新:19/09/06 16:55
更新:19/09/06 16:55
スクー
ビール売りの宿題
30代後半になりTwitterを開設し、ふとしたきっかけで54字の物語を書き始め、このたびこちらにもお邪魔させて頂きました。
長い話は不得手です。400字で他愛もない小噺を時々書いていければなぁと思っております。よろしくお願いします。
Twitterのほうでは54字の物語を毎日アップしております。もろもろのくだらない呟きとともに…。
https://twitter.com/makihide00
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