『お弁当』 TPS
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その日、男は出前をとった。
「はい!デリバリー弁当『キッチリキッチン』です!まずTPSのIDをお願いします」
男はそれに応じる。
僅かの後、TPSなる機体からプシュウウウと弁当が送られてきた。
22世紀を前に世界はTPS『テレポーテーションシステム』の開発に成功。これにより宅配、運搬革命が起こる。
そして各家庭に普及するに至る。
男は弁当の蓋を開ける。しかし……。
「うわ、転送ミスかよ今回。箱だけで中身がないじゃん!」
こうした一部が別の機体に転送される誤作動が稀にあり、開発側は機体改善と様々なクレーム処理策を練った。
「転送ミスのお電話を頂けた方にお弁当一食分サービス!」
だが経理部の人間達は思っていた。
「このシステム、未来的で格好いいのは分かるけど、偽の報告を含む損害諸々経費を思うと、人が乗り物で運ぶのと収支大差ないんだよなァ」
そうぼやいて残業の弁当の蓋を開けると、中身がなかった。
「はい!デリバリー弁当『キッチリキッチン』です!まずTPSのIDをお願いします」
男はそれに応じる。
僅かの後、TPSなる機体からプシュウウウと弁当が送られてきた。
22世紀を前に世界はTPS『テレポーテーションシステム』の開発に成功。これにより宅配、運搬革命が起こる。
そして各家庭に普及するに至る。
男は弁当の蓋を開ける。しかし……。
「うわ、転送ミスかよ今回。箱だけで中身がないじゃん!」
こうした一部が別の機体に転送される誤作動が稀にあり、開発側は機体改善と様々なクレーム処理策を練った。
「転送ミスのお電話を頂けた方にお弁当一食分サービス!」
だが経理部の人間達は思っていた。
「このシステム、未来的で格好いいのは分かるけど、偽の報告を含む損害諸々経費を思うと、人が乗り物で運ぶのと収支大差ないんだよなァ」
そうぼやいて残業の弁当の蓋を開けると、中身がなかった。
SF
公開:19/09/05 21:41
はじめまして~。
いつだって初心で、挑戦者のこころでぶっ込みたい素人モノ書きです。
沢山の方々に支えられ、刺激を与えられ、触発されて今日ももちょもちょ書いております。
一人だけでは生み出せないモノがある。
まだ見ぬステキな創造へ、ほんの少しずつでも進んでいきたい。
ショートショートというジャンルに触れる切っ掛けをくださった、
月の音色と大原さやかさんを敬愛し感謝しております。
興味をもって読んでくださる全ての方にも、ありがとうございます~^^
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