彼は、ころんだ
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長年の観察の結果、私はやはりこの考えに間違いはないと確信していた。
「父と子と精霊の名に置いて、汝に問いただす。はたして本当にかの現象をそう呼ぶのが正しいのか?」
「はい。アリストテレスの著書には足とありますが、私は長年の観察の結果、手であると確信するに至りました。」
「汝は、この期に及んでも、そう言い放つのか? かのアリストテレスの大全にもあることを。」
「これは信念です。曲げることはできません。」
「異端として裁かれるとしてもか?」
「ええと……(それは嫌だなあ)」
「再度問う。汝は猫の前足の動作を“猫パンチ”と呼ぶのか?」
「いいえ、あれはアリストテレスの説くとおり、足であり、“猫キック”と呼ぶのが正当であると……」
「父と子と精霊の名に置いて、汝に問いただす。はたして本当にかの現象をそう呼ぶのが正しいのか?」
「はい。アリストテレスの著書には足とありますが、私は長年の観察の結果、手であると確信するに至りました。」
「汝は、この期に及んでも、そう言い放つのか? かのアリストテレスの大全にもあることを。」
「これは信念です。曲げることはできません。」
「異端として裁かれるとしてもか?」
「ええと……(それは嫌だなあ)」
「再度問う。汝は猫の前足の動作を“猫パンチ”と呼ぶのか?」
「いいえ、あれはアリストテレスの説くとおり、足であり、“猫キック”と呼ぶのが正当であると……」
ファンタジー
公開:19/09/05 18:49
更新:19/11/15 12:25
更新:19/11/15 12:25
猫パンチ
猫キック
だって猫なんだもん
武蔵の国の辺境に棲息する“ひとでなし”のオオカミです。
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