生きること

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「生きること」を諦めてどのぐらいの月日が流れたのだろう。
父がかつて言っていた
「お前は我が椎名家の名を汚し、私の導いた道のりから外れていった。椎名家ではお前は死んだものとする。我が家から出て行け。二度と敷居を踏ませない。面汚しめ、顔も見たくない。」
あの日以来、私は死んだ。でも何故だろう。あの日以来私の中で押し殺していたモノ達が次々と息を吹き返していたような気がする。まるで私の魂が生き返ったようだった。それ以来人生を一生懸命生きた。それは生まれ変わったかのようだった。
だがそれは違ったようだ。私は死んだままだった。一生懸命生きる、そのための動機は椎名家への恨みだった。やはり私は椎名家の人間で、椎名家の亡霊だ。逃れる事は出来なかった。亡霊が呪い殺すかの如く、私は椎名家を生きて経済的に、社会的に潰そうとしている。私の苗字は椎名のままだ。
その他
公開:19/09/02 10:40

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