僕の苦手なもの。

僕の苦手な物、それは「びっくり箱」。なぜって？怖いじゃないか、いきなり飛び出してくる感じが。いきなり、が良くないのだ。心臓に悪い。何故突然びっくり箱の話かって？それは今僕の目の前に現れたから。

僕には同棲して３年になる彼女がいる。
きっとこれも彼女が用意したのだろう。帰宅したら玄関にフタ付きの白い箱が置いてあった。

びっくり箱に「びっくり箱」なんて書いてない事くらい知っている。だから何の箱かわからないものを開けるのは怖い。しかし「けんじへ。開けてね」なんて書いてるから開けるしかない。

意を決して開けると中には小さな箱。箱の中に箱……？と疑問はあるがそれを取り出す。……やられた。これは驚いた。驚きすぎて涙が出てきやがった。指輪だ。Please marry me.と書かれたカードと共に。これは仕返しせざるを得ないな。負けず嫌いな僕はこれから仕掛ける彼女宛のびっくり箱を鞄から取り出した。