名探偵のぶん太 最後の事件

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「きゃあああ!」
突然、4年3組の教室に悲鳴が響き渡った。
「どうしたのドス美ちゃん!?」
「私の体操服がないの。体育の時間まではあったんだけど」
どよめく教室内。するとそこへ、のぶん太がトイレから戻ってきた。
「何かあったの?」
クラスメイトに尋ねる。
「ドス美ちゃんの体操服がなくなったんだって」
「なんだって!」
のぶん太は慌てて自分の机に駆け寄ると、カバンを確認した。
「なんだ、ちゃんとあるじゃないか。びっくりさせないでよ」
そう言って体操服を取り出す。
「違うよのぶん太君。なくなったのは私の体操服で、え?」
ドス美があることに気づいた。
「のぶん太君、それ」
「ん?」
「名前、ドス美って」
みんなの視線がのぶん太に集まる。
「ち、ちょっと待ってみんな。1回落ち着いて、そして僕の推理を聞いて」
コホンと咳払いをひとつ。
「まだ着てないから」

その後ののぶん太の行方は、誰も知らない。
ミステリー・推理
公開:19/09/03 18:50

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