電池ヘイキ

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父の部屋に妙な物があった。
お菓子の空き缶に、金属製の丸く平たいブツが封入。で、蓋に投げやりなマジック書き。
『電池ヘイキ』って、何だ……?
平気?併記?どう見てもボタン電池だ。そしてこの缶が、ボタンだらけの難しそうな機械に乗っている。
『電池兵器』物騒な変換が過ぎる。
父は電気系の技術屋で、いつも謎の電子部品や機器に囲まれている。確か、オシロスコープとかいう機械だ。半分塞がれた画面から缶をどかす。
『ヘイキ』また出た。こんなホコリ積もったガラクタが兵器?
ん、微妙に文字に切れが。

『ヘイキ』⇒『ハイキ』
不燃ゴミだった。

翌日、調べてみた。
ブラウン管オシロスコープ:ブラウン管、垂直増幅器、時間軸発生器、水平増幅器、電源から構成。(中略)ブラウン管の首が電子銃になっており、電子が弾丸の様にスクリーンに(略)時間軸発生器の鋸歯状波が偏向板に与えられ、電子ビームが……

いや、まさかね。
ミステリー・推理
公開:19/09/02 20:25
だってそう読めたんだもん……

創樹( 富山 )

創樹(もとき)と申します。
前職は花屋。現在は葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書き(もどき)をしております。
小石 創樹(こいわ もとき)名にて、AmazonでKindle書籍を出版中。ご興味をお持ちの方、よろしければ覗いてやって下さい。
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ベリーショートショートマガジン『ベリショーズ』
Light・Vol.6~Vol.12執筆参加
他、note/monogatary/小説家になろう など投稿サイトに出没。

【直近の受賞歴】
第一回小鳥書房文学賞入賞。2022年6月アンソロジー出版
愛媛新聞超ショートショートコンテスト2022 特別賞受賞

いつも本当にありがとうございます!

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