パンデミック

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ある日、九州のある地域でネコインフルエンザが突然発生した。

地方の山間部で起きたできごとに思われたが、それはまたたく間に日本全国に蔓延した。

さいわいにして症状は、発熱や咳、くしゃみ、身体の痛み、嘔吐、下痢などは一切なく、ただ単にしゃべる言葉の語尾が変化して「にゃん」または「にゃあ」が着くだけのものだった。

どんなに怒った顔をして威嚇をしても
「てめえ、ぶちのめすにゃあ」
となってしまい、言う方も言われる方もその脱力感に腰砕けになり、争い事は減り、社会全体がにこやかになっていった。

ただ、唯一の例外があった。ネコインフルエンザの感染に抗体があったのか不明だが、名古屋を中心とする地域には蔓延しなかったのである。

しかし、ある研究者によれば、これは一種の亜種ではないかという推測もされたみゃあ。
SF
公開:19/08/31 08:14

武蔵の国のオオカミ( ここ、ツイッタランド、タイッツー )

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