248. おつかい

20
13

「ねぇ隆、ちょっとお使い頼まれてくれない?」
「あぁ、別にいいけど何買ってくればいいの?」
「肉じゃがを作りたいんだけど…」
母さんは買ってきて欲しい物の名前を度忘れしているらしい。
テーブルの上には玉ねぎ、人参、豚肉…
「あぁわかった!父さんも好きなメから始まる…」
「そうそう。メから始まる品種よ」
母さんは財布にお金がないからと、家族も使えるクレカを持たせてくれた。
「メークイン、メークイン」呟きながら急いでいると、ふと小石に躓いた。
「メイン…、メイン…?」
しまった、思い出せなくなった。

困っていると、ある店の入り口に貼ってあった広告が目に飛び込んできた。あぁ、確かこれだ!
少し高めだがカード払いだし、まぁいいだろう。
僕はそれを落とさないように帰路を急いだ。
「母さんただいま。買ってきたよ!」
「隆、ありが…まぁ!良くわかったわね!」


母さんはメインクーンを抱き締めた。
その他
公開:19/08/31 22:00
更新:21/07/01 01:24
メークインはジャガイモ メインクーンは猫

ことのは もも。( 日本 関東 )

日本語が好き♡
18歳の頃から時々文章を書いています。
短い物語が好きです。
どれかひとつでも誰かの心に届きます様に☆
感想はいつでもお待ちしています!
宜しくお願い致します。

こちらでは2018年5月から書き始めて、2020年11月の時点で300作になりました。
これからもゆっくりですが、コツコツと書いていきたいと思います(*^^*)

2019年 プチコン新生活優秀賞受賞
2020年 DJ MARUKOME読めるカレー大賞特別賞受賞
2021年 ベルモニー縁コンテスト 入選

 

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容