『びっくり箱』 魔女の手土産
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山中で迷った男は一軒の館に世話になった。
そこの主は大層美しい女性で男を妙に気に入ったが、彼には里に将来を誓った娘がいた。
明朝にはお暇すると感謝を述べると手土産を持たされた。
「この四つの箱から好きな物をどうぞ」
中身は?と男は訊いた。
「これらはそれぞれ、幸せ、災い、平凡、そして驚きが入っているわ。どれでも好きな物を選ぶと良い」
ただし、と主は煙管を口に含み言う。
「中を見ずに選ぶのです」
それは場合によって災いを引く可能性もあるということだった。
だが厚意を無にできず男は一つを選び帰った。
男はそれからどうしたか。
件の娘と結婚し、稀代の発明家として歴史に名を残したという。
煙管を手に主は微笑む。
「彼が選んだのは驚きの箱。当時よりも遥かに進んだ知識や技術の記された書が入ったびっくり箱。でも、この私よりもそこらの娘を選び歴史に名を残すなんて、人こそ一番のびっくり箱だと、そう思うわ」
そこの主は大層美しい女性で男を妙に気に入ったが、彼には里に将来を誓った娘がいた。
明朝にはお暇すると感謝を述べると手土産を持たされた。
「この四つの箱から好きな物をどうぞ」
中身は?と男は訊いた。
「これらはそれぞれ、幸せ、災い、平凡、そして驚きが入っているわ。どれでも好きな物を選ぶと良い」
ただし、と主は煙管を口に含み言う。
「中を見ずに選ぶのです」
それは場合によって災いを引く可能性もあるということだった。
だが厚意を無にできず男は一つを選び帰った。
男はそれからどうしたか。
件の娘と結婚し、稀代の発明家として歴史に名を残したという。
煙管を手に主は微笑む。
「彼が選んだのは驚きの箱。当時よりも遥かに進んだ知識や技術の記された書が入ったびっくり箱。でも、この私よりもそこらの娘を選び歴史に名を残すなんて、人こそ一番のびっくり箱だと、そう思うわ」
ファンタジー
公開:19/08/30 19:48
はじめまして~。
いつだって初心で、挑戦者のこころでぶっ込みたい素人モノ書きです。
沢山の方々に支えられ、刺激を与えられ、触発されて今日ももちょもちょ書いております。
一人だけでは生み出せないモノがある。
まだ見ぬステキな創造へ、ほんの少しずつでも進んでいきたい。
ショートショートというジャンルに触れる切っ掛けをくださった、
月の音色と大原さやかさんを敬愛し感謝しております。
興味をもって読んでくださる全ての方にも、ありがとうございます~^^
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