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僕はとある事務所にこの春入った新米だ。いろいろな用事をさせられるけど、自分の仕事が何の役に立っているか正直わからない。
こんな仕事、誰でも務まるんじゃないかと空しさが抑えられなくなると、こっそりヤリガイを買って開ける。
ゴクゴク飲むと、「助かった」「ありがとう」「これを待ってたんだ」と口々にお客様の喜ぶ声が聞こえてくる。背筋がシャキーンと伸び、「任せてください、次の仕事も」と胸まで叩いてしまう。
そんなヤリガイが今日目の前で売り切れた。最後の一本を30代半ばの女の人がレジに持っていったのだ。
あいにく在庫も切れているらしく、他店から取り寄せ手続きをするという。
どうしよう、時間がすごくかかったら。
青い顔をしていると、別の店員に声をかけられた。
「お客様、類似品にはなるんですが、こちらでよろしければ…」
その手の缶詰には「ヤリイカ」と表示があった。
こんな仕事、誰でも務まるんじゃないかと空しさが抑えられなくなると、こっそりヤリガイを買って開ける。
ゴクゴク飲むと、「助かった」「ありがとう」「これを待ってたんだ」と口々にお客様の喜ぶ声が聞こえてくる。背筋がシャキーンと伸び、「任せてください、次の仕事も」と胸まで叩いてしまう。
そんなヤリガイが今日目の前で売り切れた。最後の一本を30代半ばの女の人がレジに持っていったのだ。
あいにく在庫も切れているらしく、他店から取り寄せ手続きをするという。
どうしよう、時間がすごくかかったら。
青い顔をしていると、別の店員に声をかけられた。
「お客様、類似品にはなるんですが、こちらでよろしければ…」
その手の缶詰には「ヤリイカ」と表示があった。
その他
公開:19/09/01 12:00
更新:19/08/31 20:13
更新:19/08/31 20:13
スク―
目の前で売り切れたやりがい
ssの庭に迷い込んだこぶみかん。数々のお話の面白さに魅せられ、通い始めた。
気が付いたら、庭の片隅に挿し穂されていた。
いつか実を結ぶまでじっくり育つといいね。
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