ドスえもん 番外編1

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「ドスえも~ん!」
「どうした、のぶん太」
「実は頼みてえことが……」

「ちょっと待った!」

突然の声に、二人は振り向く。
「誰だ、てめえ」
「僕トライもん」
「何? のぶん太知ってるか」
「確か家庭教師の」
「おっと、そこまでだのぶん太君。今日は君に話があって来たんだ」
びしぃっと指をさすトライもん。
「ばび? ぼでにはばびが?」
「刺さってる刺さってる。鼻に指刺さってるのぶん太」
トライもんは、指を拭きながら言った。
「君はそうやって、何かあるとすぐにドスえもん君に頼る。このままでは君はダメ人間になってしまう。いや、既になっている。もう救いようがないほどにね」
びしぃっと再び指を突き出す。
「だんだっで!?」
「いやまた刺さってるから。距離をとれ距離を」
「そこでだ」
トライもんは鼻から指を抜くと丹念に拭き、のぶん太を見据えて言った。
「僕のところに来ないか、のぶん太君」
その他
公開:19/08/31 18:39

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