健康査定

いくらなんでも無茶苦茶だ…。

今年から、人間ドックの結果によってボーナスが査定されることになった。ウチは健康食品を取り扱う会社。その社員が不健康というのは企業イメージに関わる、という社長の独断らしい。

だが、決まった以上は仕方ない。長年の不摂生でメタボ気味の我が身を改善すべく、その日から禁酒禁煙、バランスの取れた食事、規則正しい生活…健康のために思いつくことはなんでも実践した。

しかし、一週間では焼け石に水。効果も感じられないまま、人間ドックを受診した。

二週間後、ボーナスの支給日。どうせ大した金額じゃないだろう…。銀行のATMで口座を確認する。

…は、はぁ？なんだこれ？想像より桁が二つ違うぞーー。

・・・

「会社として、彼にどう伝えるべきですか？」

「正直に言うしかないでしょうね。これはボーナスではなく、退職金だと…」

医師の持つカルテには『ステージ4』と書かれていた。