科学幻想妖異記-ⅩⅣ.グレムリン
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網膜認証の為、遮光マスクを外したのが仇になった。閃光弾を食らった様なショックにうずくまる。
一種危険生物、電障邪鬼(グレムリン)。電気を餌にするナノサイズのダニだ。機器に取り付いて故障させる厄介者だが、空気中では生存出来ない。
「口の軽い男は嫌いよ、深空博士」
扉の奥で、俺の声が嗤った。
冷凍保存がいつ解けたのか、考えても仕方ない。この罠と同様、時限式で仕掛けてあったんだろう。深空の腕と知識では造れない諸々。部長級と本気で手を組む程、『上』も甘くなかったわけだ。
「レ…ファ?」
血の流れる音と臭い。多分腹をやられてる。
「入りなさい志度」
「深空に、手当て……」
震えが走る。脂汗が滲む。催眠暗示と薬物による服従反射。ゴッドの命令を受けた状態で、別の行動を取ると、発狂しそうな恐怖と嫌悪感に苛まれる。
「いいわ。これで」
足下に転がる、細長い
「胸を刺して」
腕の下で、深空が大きくのけ反った。
一種危険生物、電障邪鬼(グレムリン)。電気を餌にするナノサイズのダニだ。機器に取り付いて故障させる厄介者だが、空気中では生存出来ない。
「口の軽い男は嫌いよ、深空博士」
扉の奥で、俺の声が嗤った。
冷凍保存がいつ解けたのか、考えても仕方ない。この罠と同様、時限式で仕掛けてあったんだろう。深空の腕と知識では造れない諸々。部長級と本気で手を組む程、『上』も甘くなかったわけだ。
「レ…ファ?」
血の流れる音と臭い。多分腹をやられてる。
「入りなさい志度」
「深空に、手当て……」
震えが走る。脂汗が滲む。催眠暗示と薬物による服従反射。ゴッドの命令を受けた状態で、別の行動を取ると、発狂しそうな恐怖と嫌悪感に苛まれる。
「いいわ。これで」
足下に転がる、細長い
「胸を刺して」
腕の下で、深空が大きくのけ反った。
ファンタジー
公開:19/08/29 07:54
創樹(もとき)と申します。
葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書きもどきをしております。
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ベリーショートショートマガジン『ベリショーズ』
Light・Vol.6~Vol.13執筆&編集
他、note/monogatary/小説家になろう など投稿サイトに出没。
【直近の受賞歴】
第一回小鳥書房文学賞入賞 2022年6月作品集出版
愛媛新聞超ショートショートコンテスト2022 特別賞
第二回ひなた短編文学賞 双葉町長賞
いつも本当にありがとうございます!
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