呪いの動画の代償
2
6
「出るんだよ。そういう呪いの動画なんだ」
彼はそう言って、スマホを突き付けてきた。真っ暗な画面に閃光が走り、5インチの画面から「ぽとり」、落ちたのは、人の目玉。大きな黒目が彼と私をただ見つめている。
悲鳴すら上げられず、私と彼は、魅入られたようにその目玉を見つめ返すしかなかった。
しんと静かな放課後の教室で、二人と、目玉ひとつ。夕焼けが音もなく差し込み、目玉が赤く染まる。すると、私の手のひらにあったスマホがまたもや「ぽとん」、と。ゆっくりと、赤いものが液晶画面から垂れて床の上を這う。やがて、それは小さなくちびるとなり、静かに私たちに告げる。
「召喚のお代は、二百万円となります」
それは、一文たりとも値引きはしないという凛とした響きだった。
彼はそう言って、スマホを突き付けてきた。真っ暗な画面に閃光が走り、5インチの画面から「ぽとり」、落ちたのは、人の目玉。大きな黒目が彼と私をただ見つめている。
悲鳴すら上げられず、私と彼は、魅入られたようにその目玉を見つめ返すしかなかった。
しんと静かな放課後の教室で、二人と、目玉ひとつ。夕焼けが音もなく差し込み、目玉が赤く染まる。すると、私の手のひらにあったスマホがまたもや「ぽとん」、と。ゆっくりと、赤いものが液晶画面から垂れて床の上を這う。やがて、それは小さなくちびるとなり、静かに私たちに告げる。
「召喚のお代は、二百万円となります」
それは、一文たりとも値引きはしないという凛とした響きだった。
ホラー
公開:19/08/28 21:25
思いつきを文章にするのが好きです。
怪奇からユーモアまで節操無く書いていきたいです。
少しでも楽しんでいただけますように。
ログインするとコメントを投稿できます