少女と不審者

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今日も公園で一人で遊んだ。誰も私に話しかけてくれなかった。
夕暮れ、誰もいなくなった公園。私も家路につく。
ふと、視線を感じた。振り返るが誰もいない。気のせいか…
いや、気のせいじゃない。誰かが私の後を追ってきている。
私は走り出した。大通りから暗く入り組んだ小道へと足を向けた。
「もう鬼ごっこは終わりかい、お嬢ちゃん?」
袋小路に佇む私に包丁を持った男が話しかけてきた。
私は笑った。「おじさん、私が見えるのね」
男は怪訝な顔をするも私を包丁で刺してきた。何度も何度も刺してきた。
でも包丁も男の腕も私の体をすり抜ける。やっぱり私に触れるのは無理か…
だけど私に構ってくれるのは嬉しい。それって何の遊び?私は男が恐怖で落とした包丁を拾うと同じように刺した。何度も何度も刺した。
その度に男は奇妙な声を上げながら奇妙な動きをする。
この遊び凄く面白い!ねえ、もっと私と遊んでよ。簡単に死なないでよ。
ホラー
公開:19/08/28 19:17

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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