吸い込まれる

俺は今、手に鋭いナイフを持っている。
そのナイフを、俺は迷うことなく目の前の男に刺した。ナイフは吸い込まれるように奥へと入り込んでいく。
男はにやにや笑っている。ふん！そんな余裕でいられるのも今のうちだ。
すぐにこの痛みに耐えきれず、飛び上がるだろう！
「お兄ちゃん！私にもやらせて！」
幼い妹が俺にせがむ。ああ、いいだろう。
妹は無邪気に男にナイフを突き立てる。男が痛みで飛び上がると嬉しそうに笑う。
その残忍な性格…我が妹ながら末恐ろしいよ…
そんな妹が俺に涙目で訴えてきた。どうした？
「おじさんが逃げてっちゃった…」
何ぃ！脱走か！奴はまだこの部屋にいるはずだ！急いで探せ！
俺は妹と手分けして、男を探した。
男は俺の机の下に転がっていた。こんなところにいたのか…
俺は男を樽の中に戻すと、脱走の罰だと言わんばかりにナイフを刺しまくった。
『あらあら、兄妹仲良く黒ひげ危機一発？楽しそうね』