たぶんわかってくれるよね

自分の生活言語と同じことばを読んでも、必ずしも真意が伝わるわけではない。誰もがわかってくれるというのは思い上がりも甚だしい。

「首相、やったな。」と聞いて、《首相、よくがんばったな（微笑）》と思うか《首相、下手こいたな（苦笑）》と思うか、あるいはそれ以外の受け取り方もあるだろう。

だから、
「首相、やったな。あんなことになってしまって。」
などと補足をつけて意味を限定的にすることがよく行われる。あえてぼかしたままですませるのは、受け手に多義的な解釈をさせることでミスリードを誘うやり方でもある。

しかし、受け手のものごとの解釈レベルがすべて自分と同じ程度だという思い上がりが、そこに潜んでいることを忘れてはならない。

本サイトでも、そういうことをしている作品はよく見かける。ひとりよがりで自己満足に終わっているものが。

「オオカミ、やったな。」