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「今、ローマの国民は混乱の中にいる。戦争が招いた惨劇の後に街中に蔓延した鬱が国民の首を絞め、慈愛を忘却させた。もう一度、我々の国が太陽に包まれる日が来るのは無謀と呼べるだろう」
「それは国王様の偏見です。国民は戦争が起きてしまった事態を認め、愛の残骸をかき集めるように、再び、希望を手に入れようと一歩、一歩、進み出しているところです。希望が枯渇したベナーコ湖に白鳥が戻ることはないとそう思いなのでしょうが、それはただの義強とも言えます。国王様の偏見を治し、国民ひとりひとりと向き合うことが出来たなら、国民は地獄の底から自力で這い上がってこられます」
「私は国民の悲しみから目を背け」
「自ら、それを肯定させ、同調したのです。国王様は国民の身体衰弱をカウンセリングする役職ではございません。あくまでも、国を当治するのが役目です」
その他
公開:19/08/29 21:17

神代博志( グスク )









 

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