寡黙な男
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ぺらぺらぺらぺらと、よくもまあこれほどしゃべるものだと、男は相棒を見て呆れつつも心底感心する。
まったく、いつ息を継いでいるのだろうか。
相手の反応にすばやく対応し、臨機応変の話術を披露し、自分のペースに引き込もうと必死なのだ。
相棒は時折思い出したように男に話題を振って来るが、彼はただうなずき、ただ首を振る。時に、しかめっ面になる。
ひたすらに、男は頑ななまでに沈黙を守った。
男の沈黙を埋めるかのように、相棒はしゃべり続けていく。
「お前もな、あんまり黙ってないでなにかしゃべれよ」
とうとう堪忍袋の緒が切れたのか、相棒が男の背中をどんと一つ叩いてどやしつける。
男は、ゆっくりと口を開いた。
「黙って仕事をする。それが俺のモットーだ」
すると、相棒がすかさずハリセンを振りあげた。
「あほっ。漫才師はしゃべるのが仕事やろ」
ぱしーんと鋭い音が会場内に響き渡った。
まったく、いつ息を継いでいるのだろうか。
相手の反応にすばやく対応し、臨機応変の話術を披露し、自分のペースに引き込もうと必死なのだ。
相棒は時折思い出したように男に話題を振って来るが、彼はただうなずき、ただ首を振る。時に、しかめっ面になる。
ひたすらに、男は頑ななまでに沈黙を守った。
男の沈黙を埋めるかのように、相棒はしゃべり続けていく。
「お前もな、あんまり黙ってないでなにかしゃべれよ」
とうとう堪忍袋の緒が切れたのか、相棒が男の背中をどんと一つ叩いてどやしつける。
男は、ゆっくりと口を開いた。
「黙って仕事をする。それが俺のモットーだ」
すると、相棒がすかさずハリセンを振りあげた。
「あほっ。漫才師はしゃべるのが仕事やろ」
ぱしーんと鋭い音が会場内に響き渡った。
その他
公開:19/08/26 22:00
思いつきを文章にするのが好きです。
怪奇からユーモアまで節操無く書いていきたいです。
少しでも楽しんでいただけますように。
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